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飯田蛇笏全句集より(俳句の硬さについて)

「飯田蛇笏全句集」

雲ふかく蓬萊かざる山廬かな


冱えかへる山ふかき廬の閾かな







北風やほとけの足のぶうらぶら


雲に鳶富士たかき日の冴返る


「俳句って、写真っぽいな」



頸巻に瞳のにくらしや女の子




何にもかも文ンにゆだねぬ冬籠り

億兆のこゝろ〴〵やお歳玉




餠花や庵どつとゆる山颪







妻激して口蒼し枇杷の花にたつ








ある夜月に富士大形の寒さかな





死病得て爪うつくしき火桶かな



俳句が硬いと感じることについて

引用、ここではリブログに関わるような、狭義における引用(クヲート quote)を指します。

引用って悪意だと思っていて、それは文章の中から作者の意図、言いたいことをズラして、こちらの意図に合うように切り出すことだと思っている。まさに切り刻む。自分はかなり悪意の塊なので、作者にとってはおそらく不本意であるところを切り刻んできたと思う。カロリーが高そうなところを選り分けて。で、たいていの文章は、その文章が短くても、そこから5+7でも7+5でも7+7でも5+7+5でも7+7でも、いかようにでも切り出せると思ってた。そこに作者が言いたいことがあればなにかしら切り出せるもんだと。

ところが俳句っていうのはどうも作者が言いたいことを書いているわけではないようで、物理的にはそこから5+7でも7+5でも切り出せるはずなのに、切り出したとたん何の価値もないものになってしまう。切り出すことに意味がない。そういう感じ。これは自分としてはとても大きな気付きで、ちょっとどうしたもんか、みたいな気分になっている。打ちのめされている。

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