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time is relative (遅読についての断片集)

「道徳感情論」全然読み進められてなくて、そろそろ読み出してから3ヶ月になる。

その中にこんなのがある。

  • 道徳感情論 : 第六部「得の性格について」第三篇「自制について」

節制、慎み、謙虚、中庸はつねに好ましく何か悪い目的に使うことはまず不可能である

「節制、慎み、謙虚、中庸はイイぞー、なぜなら、その程度が極端に大きくても別に悪いことがないから」と。例えば、凄く謙虚な人とか凄く節制している人とかは「押し出しが弱いなー」とか「貧乏くさいなー」とか思うものの、それが悪い面を現すことがほとんどない、という話。

かたや、マフェトンは「歩くこと」について、こんな風に言っている。

  • The Maffetone Method : Part 2 INDIVIDUALIZING YOUR PROGRAM 11. "A New Beginning: Starting Your Program"

Walking is one of the best ways to get started on an exercise program because it’s simple, inexpensive, and provides a low-stress workout that is not easily overdone.

「歩くことはイイぞー、なぜなら、どんなにたくさん歩いても、滅多なことではオーバートレーニングにならないから」と。

で、ここで自分はこんな風に言ってみたい。

「遅読はイイぞー。なぜなら、

  1. どんなにゆっくり読んでも別に誰にも迷惑が掛からない
  2. 積読が酷いので本を買うことをためらう
  3. 読まないくせにいつでも持って歩くのでユーズド感あふれる本が出来上がる
  4. いつも読み残している本のことが頭の片隅にあるので、ちょっとでも似たような言葉とか形とかフォルムを見かけると、それとこれとを結びつけてしまう

と。

一番最後のヤツは、冗談抜きで本当に重要なんじゃないかと思っていて、過去を振り返ると、本を読むスピードについてこんなことを言っていた。

http://taizooo.tumblr.com/post/137136449845

本を読むことは、自分が実際に過ごしている時間とは別の時間軸を持つことになる。そして、そのスピードを上げたり下げたり、ページを飛ばしたり戻ったりすることで、時間を伸ばしたり縮めたり早送りしたり巻き戻したり出来る。

外山滋比古サンは「乱読のセレンディピティ」で喋るスピードで読む、風のように読むことでセレンディピティを生むと言っていた。作者のスピード(書くスピード、考えるスピード)から逸脱することで、作品や作者の引力から脱出することが出来るなら、速いだけではなくて遅くても同じようなことが起きるのではないか。

ダーウィンのビーグル号航海記、読み終わるのに8ヶ月くらい掛かった。8ヶ月かかってもダーウィンが船上で過ごした5年と比べるとはるかに速いスピードだ。

マフェトン、哲学者みたいな物言いをする。

その中に、時間を伸ばしたり縮めたりする話がある。

時間を伸ばしたり縮めたりする方法として「歩くこと」を上げている。ここでいう「歩くこと」とは、競歩とかパワーウォークとか歩荷トレーニング(重い荷物を背負って歩く)ではなくてあくまでもスローにイージーに「歩くこと」を指している。エクササイズとして考えられるような、「ハァハァ」いうような、"No pain, No gain" といわれるような、そういうものではなくて、本当に楽な簡単な気軽な活動のこと。ここでいう、時間が伸びたり縮んだりすることの例は、楽しい時間はあっという間にに過ぎて、つらい時間はなかなか進まない、というようなもののことだ。なぜ時間が伸びたり縮んだりするように感じるのか、というのは、自分の意識の向き、方向と関係があるらしい。

実際に、走っているときには気が付かないことも、歩いていると気がついたりする。「桜の木、つぼみ膨らんで来ているな」とか、「あのオジサン、いつも居るな」とか。ゆっくり歩くことで、受け取るノイズが増える。偶然と出会うチャンスが増える。

ところで、赤瀬川原平サンの「世の中は偶然に満ちている」という本がある。本というか日記、彼がつけていた「偶然日記」についてのもの。亡くなってから出版された。積読に並んでいる。これには彼が遭遇した偶然の出来事が載っているんだけど、


生物進化の駆動力は突然変異で、この突然変異は遺伝子が放射線に晒されること、量子レベルで電子が励起されることで発生するそうだ。

遅読、誤読、日常のノイズがたくさん乗る可能性が高まる。結果、読了の道は長く険しいものになるが、それと引き換えにびっくりするような偶然と出会うことが出来る(かもしれない)。

とか、そんなことをツラツラ考えている間に、読書はどんどん滞り、積読の山が積み上げられていく。

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