copy and destroy

catch and eat

それは詩的眼差しである。

「シュルレアリスムの法王」とさえ呼ばれたブルトンのコレクションは、彼の周囲に集まった芸術家たちの作品はもちろんのこと、オセアニア、アフリカ、南北アメリカなど世界中の芸術、さらに彼を含め同時代の詩人たちが発見したオブジェの類がぎっしりと詰まった、小宇宙である。

作家で優れた芸術論でも知られるイヴ・ボヌフォアは、このオークションに強い嫌悪を示しながら、問題の核心をつく発言をしている。コレクションが失われるのではなく、詩が失われるのだと書いているのである。それは20世紀の芸術史上、もっとも研ぎ澄まされた感性をもった詩人が、モノによって作り上げた、もうひとつの詩である。ひとつの助動詞、ひとつの間投詞が欠けても、元の詩とはまったく異なることになってしまうように、コレクションの切り売りは、最終的に詩の破壊になってしまうだろう。

「現代がもはや望まないもの、それは詩的眼差しである。」

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