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石のスープ

旅人が、ある村へとやって来ます。お腹を空かせた彼は、1軒の家のドアをたたき、食事をさせて欲しいと頼むのですが、「この村は貧しくて他人に与えるものは何もない」と無下に断られてしまいます。  一計を案じた旅人は、「自分は魔法の石を持っている。それを使うと美味しいスープをつくることができるので、鍋だけでも貸してくれないか」と再び頼み込み、なんとか鍋を貸してもらうことができます。そして今度は別の家へ行き、「魔法の石はちょっと力が弱まっているから、塩を少しだけ加えたら美味しいスープになるのだが」と頼み、さらに別の家々から少しずつ材料を提供してもらおうと歩き回ります。  風変わりな旅人の振る舞いを聞きつけた村人たちが次第に集まり、徐々に様々な材料が持ち寄られ、いつしか村人たち総出で石のスープづくりを楽しむようになっていきます……。

飢えた旅人(修道士とも)が集落にたどり着き、民家に食事を求めて立ち寄ったが、食べさせるものはないと断られてしまった。 一計を案じた旅人は、路傍の石を拾うともう一度民家にかけ合った。「煮るとスープができる不思議な石を持っているのです。鍋と水だけでも貸してください」 興味を持った家人は旅人を招き入れた。旅人は石を煮始めると「この石はもう古くなっているので濃いスープになりません。塩を加えるとよりおいしくなるのですが」と説明した。家人は塩を持ってくる。 旅人は同じようにして、小麦と野菜と肉を持ってこさせた。 できあがったスープは見事な味に仕上がっていて、何も知らない家人は感激してしまった。旅人はスープのできる石を家人に預けると、また旅立っていった。

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