「サッカーというスポーツを、対立ではなく統合、闘争ではなく融和、戦争ではなく平和の象徴として位置付けた」ローマ教皇を追悼【現地発コラム】 | THE DIGEST
ホルヘ・マリオ・ベルゴリオは、自身が生まれ育ったブエノスアイレスのバホ・フローレス地区に本拠を置くクラブ、CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロの熱狂的と言っていいサポーターだった。それを公言して憚らなかっただけでなく、終生を通してクラブのソシオであり続けたほど。
偶然か必然か、サン・ロレンソはそのオリジンからカトリック教会と結びついていた。クラブを創設したのは、地元の少年たちに「日曜のミサへの出席」を条件に、教会の敷地内でサッカーをすることを許可した街の神父ドン・ロレンソ・マッサだった。クラブの愛称「ロス・クエルボス(カラスたち)」は、教会の司祭が身に着ける黒い司祭服に由来するものだ。