開会に先立つ司会のあいさつが上手過ぎて、副会長の開会挨拶がホゲホゲになる回。
一度ほころび始めたその流れは続く会長あいさつにも伝染して、それは次第に渦を巻きゴウゴウと会場全体を覆い始める。あちこちから火の手が上がり黒煙が立ち込める中、それでも司会は涼しい顔で進行を続け、最後には辺り一面を焼け野原にして終了した。
「以上を持ちまして、本日の会合は終了いたします。拙い司会進行にお付き合い頂きありがとうございました。皆様のご協力により滞りなく全ての次第は終了いたしました。それでは皆様、お気をつけてお帰りください。サヨウナラ」
その会場から無事に帰還できたのは、司会者ただ一人だけだった。