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今週末の良かったこと

で、カルヴィーノ「イタリア民話集」を読み始めたのだが、どうしても「みどりの小鳥」も欲しくなって買った。実は2冊買った。岩波少年文庫版、岩波の愛蔵版。

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「イタリア民話集」の原著は1956年に出版されてる。その頃にカルヴィーノは3冊、書いていて、「まっぷたつの子爵」1952年、「木のぼり男爵」1957年、「不在の騎士」1959年。そして1952~1956年の短編から「マルコヴァルドさんの四季」1963年を編んでいる。そのあと「イタリア民話集」200編の中から31編(うち1編は4小話なので全部で35話)を選んで出版されたのが「みどりの小鳥」1972年。

日本では河島英昭さんの翻訳で、最初に岩波の愛蔵版「みどりの小鳥」(31編)1978年、続いて、岩波文庫「イタリア民話集」上下巻(75編、みどりの小鳥と5編重複)1984年、出版されてる。「みどりの小鳥」は1994年に世界児童文学集16 「みどりの小鳥」、そして2013年に岩波少年文庫「みどりの小鳥」になる。

河島さんは「みどりの小鳥」を訳出する際におそらく「イタリア民話集」を参考にしていて、そんな理由からか、岩波の愛蔵版「みどりの小鳥」には、子供向けとしてはちょっと難解な、本格的な翻訳者解説がルビ付きで載ってた。初めて翻訳されたものなので、翻訳者の初期衝動というか過剰さが溢れてる感じがした(岩波少年文庫版ではかなり簡約されてる)。

その延長線上に翻訳版の「イタリア民話集」がある。これは最初から岩波文庫版で出版されてるのでページ数の制約もあって、200編全てではなく「みどりの小鳥」と出来るだけダブらないように厳選された75編となったのだと思われる。

で、ああだこうだとカルヴィーノ自身の解説や、河島さんの解説やらをこねくり回していたんだけど、結局、シンプルに載っている民話を一つ一つ読み始めた。民話はスピードが速い。解説や原注を読みつつ民話本文を読む、という読み方はスピードが遅すぎた。一つ一つの話が急に始まって、支離滅裂だったり飛躍してたりなにを言ってるのかわからなかったり転がるように話が進んで、そして唐突に終わる。なにより大事なのはスピード、速さだった。

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