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使える音を全部使ってみよう

一般的な音楽史において、ビ・バップの誕生は「西洋音楽史上の大革命」と位置づけられています。また、当のミュージシャン達もその自覚を強く持っていたようです。では、何が「革命的」だったのか。あえて強引に一言でまとめるなら、「和音と旋律の抽象化による、アドリヴの可能性の解放」となるでしょう。ビ・バッパー(ビ・バップを演奏するミュージシャン)たちは、「音楽理論上使える音を全部使ってみよう」という実験精神のもと、即興演奏を行うということを歴史上初めて、集団的に実践した人たちなのです。

ビバップ時代にほぼ完成したジャズのアドリヴ理論は、それまでにない普遍性を持っていました。「理論の普遍性が高い」ということは、「それを学べば誰でも同じことができる」ということを意味します。同じ理論(ルール)を共有して初めて「競争」が成立するわけです。かくして、ジャズミュージシャンは次第に、「より速く、より複雑な」演奏を競い合うようになったのです。

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