copy and destroy

catch and eat

2020年を探す


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http://taizooo.tumblr.com/post/22158237389

好きってことは呪いのようなものだ

https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2018/12/24/134610

毎年12月は、習慣になっていることが止まる。止まる理由はいろいろあるんだけど、まあ、そのうちの一つにはコレとかが含まれる。 で、習慣になっていることが止まることが悪いことなのかというと、必ずしもそうとも言えなくて、これを自分は「呪いを解く」と呼んでいる。

https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2018/12/06/205640

「茶断ち」というものがある。願いが叶うことを祈ってお茶を断つ、というものだ。コーヒーは呪いのようなものだ。それはマジナイでもありノロイでもある

https://scrapbox.io/taizooo/%E5%91%AA%E3%81%84%E3%82%92%E8%A7%A3%E3%81%8F%E8%A9%B1

祝祭には呪いを解く役割がある

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https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2018/02/15/174906

本を読むことは、自分が実際に過ごしている時間とは別の時間軸を持つことになる。そして、そのスピードを上げたり下げたり、ページを飛ばしたり戻ったりすることで、時間を伸ばしたり縮めたり早送りしたり巻き戻したり出来る。

https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2019/12/23/163635

時間を伸ばしたり縮めたりする

ささやかな逆走ではなくて、そうじゃなくて時間軸は自由に移動出来るんじゃないか、という。グレン・グールドが録音に向かっていったのも、ターンテーブル2台、レコード2枚でビートを延々と鳴らし続けることも、アインシュタインが言っていることも全部つながっている、みたいな

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https://i-d.vice.com/jp/article/qvq5j3/miyako-ishiuchi-interview-in-the-beginning-there-was-the-scar-01

眼に見えず、触れられず、匂いもせず、音もせず、味わえない。五感のすべてを否定しているのが時間なんだよ

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https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2020/02/10/185010

グリックの「タイムトラベル」によると、時間は過去から未来へと流れる、と、強く意識されるようになったのは、H.G.ウェルズの「タイムマシン」の影響が大きかったそうだ。そもそもタイムトラベルという語は「タイムマシン」の主人公にたいする呼び名、「タイムトラベラー」が由来だったりする。タイムトラベルという概念の影響は大きくて、科学も哲学もそれから逃れられなかった。H.G.ウェルズ自身ものちのコメントで、「タイムマシン」の小説をどう構想したのかについて問われたときに、自分自身の思考がタイムトラベルという概念に書き換えられてしまっていて、その当時の自分には戻れない、みたいなことを言っていたらしい

ことばがイメージに先行する。このことを忘れてはいけないと思う。

Interlude 1

祝祭は開幕した。

祝祭には呪いを掛ける役割がある。それはマジナイでもありノロイでもある。呪いは文字、言葉、音楽に乗って伝わる。取り憑く。取り憑かれる。

すでに誰もが知っているように Web には深さと奥行きが存在する。ブラウザの左上の端には原点が、左右つまりX軸の方向には空間が、上下つまりY軸の方向には時間が、そして画面手前から奥つまりZ軸の方向には私とあなたが存在する。この発見には tumblr の dashboard 、twitter の time line 、そして AutoPagerize の誕生を待つ必要があった。2007年の春のことだ。われわれはスクロールで過去へも未来へも自由に行き来できるようになった。

チャンギージーが言うように、人は死者との対話を実現した。文字、言葉、音楽を介して。自然の姿から文字を、自然が鳴らす音から言葉を、人々が振る舞う様から音楽を生み出した。印刷、録音、映像を介して、過去から未来、あらゆる人々との対話が行われるようになった。科学や工学の進歩はまさに時間を自由に移動するためにあった。

5

https://tabesugi.net/memo/2020/1.html#260956

世界はだまされたがっている

https://tabesugi.net/memo/2011/c.html#311352

ある暗黙の了解があった。 それは、知っているものは語らない。知らないものは尋かない。 そして尋いたものには答が与えられないというものである

7

https://scrapbox.io/taizooo/2020%2F03#5e71fa71b30c0100006eeab6

コピー・アンド・ペーストを繰り返しているうちに、不安、恐怖といった雰囲気が、興味、好奇心といったものに変化しつつある。感情、情動といったところから、理性に降りてきた感じというか

https://twitter.com/taizooo/status/1240135585815318540

不謹慎、不適切な言い方かもしれないけど凄い面白い。そしてエキサイティング。

ここに希望を見出した

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https://taizooo.tumblr.com/post/614901713191714816

もともと日記を書いている人、このタイミングに日記を書き始める人、その日記を切り出して tumblr に放流する人。 2020年って感じだ。2020年。この感じが2020年。

Interlude 2

「では弾くよ。」

 ゴーシュは何と思ったか扉とにかぎをかって窓もみんなしめてしまい、それからセロをとりだしてあかしを消しました。すると外から二十日過ぎの月のひかりが室へやのなかへ半分ほどはいってきました。

「何をひけと。」
「トロメライ、ロマチックシューマン作曲。」猫は口を拭ふいて済まして云いました。
「そうか。トロメライというのはこういうのか。」

 セロ弾きは何と思ったかまずはんけちを引きさいてじぶんの耳の穴へぎっしりつめました。それからまるで嵐のような勢いきおいで「印度の虎狩」という譜を弾きはじめました。

 すると猫はしばらく首をまげて聞いていましたがいきなりパチパチパチッと眼をしたかと思うとぱっと扉の方へ飛びのきました。そしていきなりどんと扉へからだをぶっつけましたが扉はあきませんでした。猫はさあこれはもう一生一代の失敗をしたという風にあわてだして眼や額からぱちぱち火花を出しました。するとこんどは口のひげからも鼻からも出ましたから猫はくすぐったがってしばらくくしゃみをするような顔をしてそれからまたさあこうしてはいられないぞというようにはせあるきだしました。ゴーシュはすっかり面白おもしろくなってますます勢よくやり出しました。

Interlude 3

最初は中国、武漢での出来事だった。しばらくしてそれは横浜港沖のクルーズ船での出来事になった。そのうちにそれは日本、世界での出来事になった。そしてそれは半径3mでの出来事になった。ソーシャルディスタンス。

人類の危機っていうのは、突然の小惑星の衝突、スーパーコンピュータの暴走、宇宙からの未確認生物の襲来、バイオハザードによるゾンビとの戦い、と相場は決まっていた。本当の危機っていうのは、こんなふうにやって来るのか、なんて気がついたのはつい最近のことだ。いや、まだ気がついていないのかもしれない。人というのは今、この瞬間がその時なのだと認識することが出来ない。三年日記を振り返っても決定的ななにかが記されることはなかった。

誰もが真実を知りたがっていた。でも、誰もが欲しがっていたのは決定的ななにか、つまり、目の覚めるようなシュートだったり、天井にぶち当たるホームランだったり、天下無敵の凄腕ハッカーだったり、または銀の弾丸だったりした。残念なことに、実際のそれは、マスク、手洗い、毎朝毎晩の検温と至極平凡な形をしていた。

こんなふうに右往左往するわたしたちや、感染者数のテロップをたれ流すテレビジョンや、左右にウロウロするマウスカーソルや、ひたすら上下にスクロールするスマートフォンを尻目に、科学や医学や工学や、音楽や文学や映画や、そして街々の人々はそれぞれの持ち場で世界を先に進めていた。

9

サッカーが帰ってきた。 ちょっとばかりの雨に降られたところでだからどうした。

https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2020/07/13/183311

ウォーミングアップでゴールキーパーがピッチに入ってくるときに、すでに泣きそうだった。ヤバかった。そしてフィールドプレイヤーが入ってきて、スタンドに向かって手を振ったとき、もうダメだった。根こそぎ持っていかれた。この感情をなんと言えばよいのか。

でも、拍手が我慢出来なかった。手を叩くというのがこんなにもプリミティブな、感情的な行為だったのかと驚いた。手を叩く、手を振る、手を掲げる。

とにかく、サッカーが帰ってきたのだ。なんの文句があるものか。

10

ぐおっ ふわっ





via スインギングドラゴンタイガーブギ 第17話 https://morning.kodansha.co.jp/c/swingindragontigerboogie/

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「続きはまた今度」


via BRUTUS 2020年 6月15日号 No.917 https://www.amazon.co.jp/dp/B0897S5F2S

https://scrapbox.io/hub/%E7%B6%9A%E3%81%8D%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%81%9F%E4%BB%8A%E5%BA%A6

講談は歴史上の人物や出来事を脚色して面白く大衆に伝える芸事。現代においては、その役割の大半をマンガが継承して担っていると思うんです。 毎週1話の連載というのも、「続きはまた今度」という高座のよう。本来、講談師がもっと頑張らなきゃいけない部分であり、申し訳ないような、悔しいようなという心持ちでマンガを読んでいます

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Adventures of a Bystander (傍観者の冒険)


via https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0081MAL9O

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/12/pf-5b22.html

青年はウィーンを出るのだと堅く心に決めていた。産まれた街を捨てるのだと決めていた。それが青春ということのすべてだった。

https://scrapbox.io/taizooo/%E5%82%8D%E8%A6%B3%E8%80%85%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3

自分の目で見、自分の頭で考えることはよいことだ。でも屋根の上から叫んで人を驚かせることは感心したことじゃないんだよ」

これは傍観者がよくいわれることである。


via さよなら私のクラマー 最終話 http://www.gmaga.co/comics/clamor/



Interlude 4

「さあ出て行きたまえ。」楽長が云いました。みんなもセロをむりにゴーシュに持たせて扉をあけるといきなり舞台へゴーシュを押出してしまいました。ゴーシュがその孔のあいたセロをもってじつに困ってしまって舞台へ出るとみんなはそら見ろというように一そうひどく手を叩たたきました。わあと叫んだものもあるようでした。

「どこまでひとをばかにするんだ。よし見ていろ。印度の虎狩をひいてやるから。」ゴーシュはすっかり落ちついて舞台のまん中へ出ました。

 それからあの猫の来たときのようにまるで怒った象のような勢きおいで虎狩りを弾きました。ところが聴衆はしいんとなって一生けん命聞いています。ゴーシュはどんどん弾きました。猫が切ながってぱちぱち火花を出したところも過ぎました。扉へからだを何べんもぶっつけた所も過ぎました。

 曲が終るとゴーシュはもうみんなの方などは見もせずちょうどその猫のようにすばやくセロをもって楽屋へ遁げ込みました。すると楽屋では楽長はじめ仲間がみんな火事にでもあったあとのように眼をじっとしてひっそりとすわり込んでいます。ゴーシュはやぶれかぶれだと思ってみんなの間をさっさとあるいて行って向うの長椅子へどっかりとからだをおろして足を組んですわりました。

 するとみんなが一ぺんに顔をこっちへ向けてゴーシュを見ましたがやはりまじめでべつにわらっているようでもありませんでした。

「こんやは変な晩だなあ。」
 ゴーシュは思いました。

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100 Days To Offload 、100個の post 。


via https://scrapbox.io/hub/100DaysToOffload-activity

https://scrapbox.io/hub/%E7%AA%93%E3%81%AE%E5%A4%96%E3%81%AEBGM

時事問題の騒音をBGMにしてしまうのが古典である。同時に、このBGMの喧噪はあくまでも必要なのだ。

https://scrapbox.io/hub/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%BA%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B6%E3%81%AA%E3%80%81%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B9%EF%BC%81

それは、ソーシャルミュージックなんだ

https://scrapbox.io/hub/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E6%84%9F%E5%8F%97%E6%80%A7%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%84

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

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2014年に始まったファンクをたどる旅は、2018年、ひょんなきっかけからクラシカル・ミュージックをめぐる旅になった。そして2020年、ジョン・ケージにたどり着いた。ジョン・ケージを原点にとると世界の音楽は、ジョン・ケージ以前、ジョン・ケージ自身、ジョン・ケージ以降の三つに区分される。


via https://www.youtube.com/watch?v=el8JZ51R6A8

https://www.happano.org/8-johncage

その中にこんな問いがあった。「世界でもっとも美しい音楽はなにか」とね。英雄たちが次々に答えていって、最後の者が「何かが起きたときの音が、世界でもっとも美しい」と言って、それが最高の答えだとみんな思ったというわけ。

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毎週、その週末のためのプレイリストを作るようになった。そのなかに、マイク・クーパーの "Bad Tempered Unprepared Guitar" という曲があった。


via https://open.spotify.com/album/7prUywPrFB9MfIQ5dYhWPB

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88

ウェル・テンペラメント(英: Well-Temperament)は、鍵盤楽器で24の全ての調の演奏に対応する調律をするための音律である。 この調律法はバッハの『平均律クラヴィーア曲集』の原題 "Das Wohltemperierte Clavier" (The Well-Tempered Clavier) に因んで20世紀に命名された。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9A%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E

プリペアド・ピアノ または プリペアード・ピアノ(英: prepared piano、文字通りには「準備されたピアノ」の意)は、グランドピアノの弦に、ゴム、金属、木などを挟んだり乗せたりして(これを「プリペアする」「プリパレーションを施す」などという)音色を打楽器的な響きに変えたものをいう。

調律されていない準備されないギター。言葉遊び。シャレている。

Bad Tempered Unprepared Guitar

願わくば大好きなこの場所が、調整されていない不用意なインターネットであり続けますように。

Bad Tempered Unprepared Internet

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ではここで古典を一席。「世界をクリックしろ」。

http://web.archive.org/web/20140823220053/http://theinterviews.jp/retlet/13554

潜って潜って誰かの古い宝物を掘り当てる。沈殿していたものが攪拌されてぐるぐると渦を巻く。新しい宝物になったそれを、また誰かが宝物にする。そうしてる間も他の誰かが放り込んだ宝物が降ってくる。ぐるぐる。渦と一緒になる。浮かんだり。潜ったり。

ぐるぐると回り続けて、そのうちぼくらはバターになる。

ちょうど時間となりました。では、続きはまた今度。


この post は 2020 Advent Calendar 2020 第1日目の記事として書かれました。
明日の第2日目は u6dbc サンです。お楽しみに。




( Interlude 1 & 3 は、オリジナル post 、 Interlude 2 & 4 は、青空文庫:宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card470.html から「印度の虎狩」の引用です)

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