「これを聴け」
次は、アレックス・ロス「これを聴け」( Listen to this ) 行く。
というのが2018/12月末。そろそろ1年。
それぞれの章に出てくる音楽を片っ端から聴きながら、という読み方をしている。現在位置は第五章「軌道を回る ― レディオヘッドのグランドツアー」。世界で初めてレディオヘッドを発見した、みたいな顔をして聴いている。
進捗でいうと、第二章「チャッコーナ、ラメント、ウォーキング・ブルース ― 音楽史の低音旋律」に4月まで、第四章「様式の嵐 ― モーツァルトの中庸」は5月から、あいだに BBC Proms 2019 (7月から9月)を挟んで、12月まで。そして今、やっと第五章にやってきた。
「ビーグル号航海記」
なぜこんな時間が掛かるような読み方(聴き方?)をしているかというと、その始まりは「ビーグル号航海記」にある。
ビーグル号航海記、5年間の記録なんだから5年掛けて読んだって別にかまわないわけだ
実際には5年は掛からなくて、2015/8月から2016/4月までかかった。このときに「あー、速すぎた」と思った。毎日一日分だけ読めば良かったのに、と後悔した。
時間を伸ばしたり縮めたりする
本を読むことは、自分が実際に過ごしている時間とは別の時間軸を持つことになる。そして、そのスピードを上げたり下げたり、ページを飛ばしたり戻ったりすることで、時間を伸ばしたり縮めたり早送りしたり巻き戻したり出来る。
「2019年を探す」、バック・トゥ・ザ・フューチャーを引用した。これ実は、書かなかった(書けなかった)「時間を伸ばしたり縮めたりする」話の伏線にしたいと思っていた。「2019年を探す」で自分が書きたかったのは、そこらじゅう始まりだらけの話だったり、何回も何回も繰り返される話だったり、行ったり来たり止まったり進んだりする話だったりした。書けたかどうかというと半分くらいしか書けなかった。
ベスト・オブ・ザ・イヤーなアドベント・カレンダー、PBN ポッセ第四の刺客、oshowtheripper サンは最後にこう言った。
一方、こういう機会を使って振り返ってみると少し体感の加速度が低下するような気もする。時間の流れに逆らう方向に思考を飛ばすからかな。ささやかな抵抗である。
ささやかな逆走ではなくて、そうじゃなくて時間軸は自由に移動出来るんじゃないか、という。グレン・グールドが録音に向かっていったのも、ターンテーブル2台、レコード2枚でビートを延々と鳴らし続けることも、アインシュタインが言っていることも全部つながっている、みたいな(適当)。
ということで積読の山からグリックの「タイムトラベル」を引っ張り出した。という感じに、走るのが滞って、読書が帰ってきた。
そこらじゅう始まりだらけだ。2020年はもう始まっている。