「おくのほそ道」、松尾芭蕉は日本海に出てからスピードを上げて新潟はたった数行で通り過ぎてしまう(三三 越後路)。新潟の人たちは怒っていい。でもここで残された句はとても素晴らしい。そして有名。
文月や六日も常の夜には似ず
「ふみづきや むいかもつねの よにはにず」
文月は陰暦の7月。7月7日は七夕。明日は七夕だ、と旅路にて夜空を眺める松尾芭蕉。
荒海や佐渡によこたふ天河
「あらうみや さどによこたう あまのがわ」
この荒れる大波はその先の「大罪朝敵の人々の遠流の境にして、物憂き島」の悲壮に思いを馳せている。そしてそこに流々と横たわる銀河。壮大だ。