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今週末の良かったこと(ホーム開幕戦、やっぱり小瀬は最高という話と、新しいのものと古いのものを一緒に並べなきゃいけない話)

土曜日、ホーム開幕戦。待ちに待った小瀬である*1

いつも通りのバックスタンド。正面のメインスタンドの向こう側に連なる南アルプス、空、ピッチの緑。スタンドを埋める、あんな人、こんな人、そんな人、人、ひと、ヒト。鳴らす手拍子、響くチャント、躍動する選手たち。国立競技場も最高だったけど、やっぱり小瀬が一番だ*2

gyazo.com

甲府 vs 栃木 1-2 敗戦。

このなんとも言えない気分も含めてサッカーが帰って来た。いつも通り負け試合ではスタンドから即撤退するお気軽なバクスタ住人なのだが、まああれだ、勝っても負けても引き分けても、いつだって次の試合が一番大事。来週末はアウェイ山形戦、昨シーズンのリベンジを果たさないとなりません。がんばりましょう、がんばります。


今週末は、いろいろと事情があり走れなかった。当然、裏山もなし。残念。そういうときもある。


読書はちょっと進展があった。停滞していた読みかけを放っておいて*3野矢茂樹『「論理哲学論考」を読む』を読み始めた*4。この本は簡単に言えばガイドブックだ。


ことの発端は、野矢茂樹『語りえぬものを語る』を本屋で立ち読みしたことだったのだ*5。この本は野矢サンが「語りえぬもの」*6について縦横無尽に思いを巡らしているものでビギナーでワナビーな自分には、そこに知りたいことがありそうなこと、そしてそれがとても面白そうなことがわかっても、内容については全然ついて行けなかった。


ということで、野矢サンが書いているもう一冊の新書『言語哲学がはじまる』を読み始めたのが1月*7。この本は20世紀に哲学で起こった「言語論的転回」という現象を、「ミケは猫だ」「ミケが寝ている」「猫が寝ている」「猫が富士山に登った」といった「ふつうの文」を中心に据えて、ゴットロープ・フレーゲ、バートランド・ラッセル、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインへと順番に繋いでいく。

こちら*8もその軸足はウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の上に置かれているんだけど、あちら*9が猛烈なスピードであっちこっちに移動し続けているのと比べると、こちら*10は一つ一つトントントンと飛び移っていくような感じで少しは歯が立ちそうな気がした。


わかったようなわからなかったような読了のあと*11、つぎ読むならやっぱ原典だろ、ということで『論理哲学論考』を読み始めた*12。予想通りやっぱり歯が立たない*13。そんな流れで『「論理哲学論考」を読む』に手を出したというわけ*14。我ながらあまりにも執着し過ぎではないか、ウィトゲンシュタインを追いかけているというよりも、野矢茂樹という人の考え方を追いかけているんではないか、なんてちょっと躊躇したのは正直なところだ。まあしょうがない、ここまで来たら、行けるところまで行ってみよう、というのが今の状況です。


次の二つの引用、これ厳密には今週末じゃなくて今日、月曜日に見つけた文章なんだけど、これは今日書いたこの文章に繋がる気がするのでここに記しておく。

新しいのものと古いのものを一緒の演奏会で並べなきゃいけないんです。

https://freudemedia.com/interview/musashibabaone

それは、古い音楽の聴衆からしてみたら自分たちの理解を超えるもので、一番新しいものを聴きたいと思っている人たちにとっては古いものです

https://freudemedia.com/interview/musashibabatwo

この話は「音楽」なんだけど、まさに自分がいま追いかけているこの「哲学」の話も同じ視点の中にあって。この「言語哲学」とか「分析哲学」と呼ばれるものは、長い長い哲学史のなかでは「現代」なんだけど、21世紀に生きている僕たちにとっては「100年前」の出来事でまさに、一方から見るととても「新しいもの」で、もう一方から見るとすごく「古いもの」だったりする。長いこと20世紀に執着しているんだけど、ずっとこういう視点のなかでウロウロしているような気がする。

*1:めちゃめちゃ北西の風で半端なく寒かった

*2:最高 of 最高

*3:https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/03/08/153558

*4:https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/03/09/101950

*5:アルマン・マリー・ルロワ『アリストテレス 生物学の創造』の「自然に切れ目を入れる」という言葉と、この『語りえぬものを語る』の「分節化されている世界」という言葉が繋がったことが、ことの発端だった https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2023/12/18/174446

*6:ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』、一番最後の断章、「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」から来ている

*7:https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/01/26/094103

*8:『言語哲学がはじまる』

*9:『語りえぬものを語る』

*10:『言語哲学がはじまる』

*11:https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/01/31/182036

*12:今週末の良かったこと(ヘトヘトからの東京観光、雨を避けて走る) - copy and destroy https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/02/05/131811

*13:日記の本番 2024/02 - copy and destroy https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/03/06/112258

*14:https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/03/01/143726

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