copy and destroy

catch and eat

実践の人でもあった。ユーゴ内戦の真最中に、銃撃の続く包囲下にあるサラエボで『ゴドーを待ちながら』を演出するくらいの、筋金入りの行動力である。悲惨な状況下にあっても、文学的想像力をたよりにして、希望を失わないことを、身をもって示した。その気概は、後々まで記憶されることだろう。9・11以降アメリカにとどまりながら、政権にたいする仮借ない批判を続けたことは、広く知られている通りである。邦訳にも反映されているが、特にアメリカの戦争報道とプロパガンダにたいする批評は、非常に厳しいトーンで一貫していた。国内でどれだけバッシングされようとも、トーンダウンするどころか、ますます鋭さを増したような気もする。イラクでの米軍による捕虜虐待写真について書かれた文章では、写真はわたしたちだ、とさえ言い切ったくらいである。イメージと政治について、常にアクチュアルにかかわりながら、これだけ持続的に批評を続けてきた人は稀である。

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