アメリカを走る「軽自動車」:25年前の日本車を愛する人びとの集い - by Hidehiko Ebi
──ここ数年、アメリカで軽自動車人気が高まっている主な理由は何だと思いますか。
まず大きいのは、アメリカには「25年ルール」があるという点です。これは、外国から輸入できる車は製造から少なくとも25年以上経っていなければならないという規則で、この制限によって、アメリカの車好きが注目するのは1980〜90年代の日本車になります。日産の「スカイライン」、マツダの「RX-7」、トヨタの「スープラ」といった、いわゆる“ヒーローカー”ですね。
しかし、そうした車を日本から輸入するとなると非常に高額になります。そこで、より手頃な日本車を探すなかで、軽自動車の存在に気づく人が増えました。加えて、アメリカでは車、特にトラックや小型トラックの価値が下がりにくい。軽トラックはコスト面でも魅力的で、その存在が次第に注目されるようになったのです。
──価格が安いだけでなく、価値も下がらないのですね。
そして2025年からは、2000年以前の車までが輸入の対象になります。つまり、現行の軽自動車の排気量である660ccの車がちょうど対象になり始めたことで、一気に“おいしい時期”に入ったんです。わたしの理解では、660cc規格が始まったのは1990年。ここ10年ほどが、軽自動車や軽トラックがアメリカに入ってくる“黄金期”だと思います。
──660ccが輸入可能になったことで人気が加速したということは、それ以前の規格だとアメリカでは走るのが難しかったのでしょうか。
660ccという排気量は、実用面で“使えるか使えないか”の境界にあたります。友人のなかには360ccや550ccといった初期の軽自動車を所有している人もいますが、アメリカの高速道路では走れません。最新の660cc規格でもすべての制限速度に対応できるわけではなく、走行可能な道路は限られてきます。
──つまり、アメリカの高速道路を走るには最低でも660ccに達している必要があるというわけですね。
そうなんです。ここ数年で購入者が増えているのもそのためだと思われます。ただし25年ルールは非常に長い規制です。例えばカナダは「15年ルール」で、2010年までの車が輸入できますので、世界的に見てもアメリカはかなり厳しいほうでしょう。
25年ルールとは、クラシックカー登録制度(法律の例外)
https://www.qsha-oh.com/historia/article/3662/
25年ルールとは、製造から25年以上経過した右ハンドルのクルマをアメリカ国内にそのまま輸入できる法律の例外にあたる特別ルールのことです。
アメリカでは、原則として右ハンドル車を輸入できません。つまり、日本車やイギリス車などをそのまま輸入することができないのです。
しかし、製造から25年が経過したクルマであれば、クラシックカーとして登録することが可能となるため、右ハンドル車である日本車やイギリス車をそのまま輸入できるようになります。
また、関税や排ガス規制も対象外になることも25年ルールの特徴です。
このようなアメリカのクラシックカー登録制度(法律の例外)が25年ルールとなります。