「フンボルトの冒険」、読了した。
原題は "The Invention of Nature" つまり「自然を発明した」。
ここでいう自然というのは「生命の網」"the Web of Life" のことを言う。
自然は一つ一つバラバラの事象がてんでバラバラに存在いているのではなくて、その全体繋がり広がりに本質があるということを意味している。
フンボルトの時代、博物学の時代、そのころはまだ科学や哲学や文学が分岐していなくて一つの大きな塊だった。なんと政治さえも科学と結びついていた。
それを示すために「フンボルトの冒険」の中ではフンボルトとお互いに影響し合った人たちがそれぞれに章を与えられている。
フンボルトの冒険 自然という<生命の網>の発明 | NHK出版
- 第2章 想像力と自然──ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテとフンボルト
- 第8章 政治と自然──トーマス・ジェファーソンとフンボルト
- 第12章 革命と自然──シモン・ボリバルとフンボルト
- 第17章 進化と自然──チャールズ・ダーウィンとフンボルト
- 第19章 詩、科学、自然──ヘンリー・デイヴィッド・ソローとフンボルト
- 第21章 人間と自然──ジョージ・パーキンス・マーシュとフンボルト
- 第22章 芸術、生態学、自然──エルンスト・ヘッケルとフンボルト
- 第23章 保存と自然──ジョン・ミューアとフンボルト
そうそうたる面々だ。
ゲーテってあのゲーテだ。「若きウェルテルの悩み」とかの。あとになってわかったんだけど、ゲーテは科学者でもあった。このころは科学と文学、芸術は分かつことが出来なかったみたいな。「ファウスト」のファウスト博士にはフンボルトの影があるとかなんとか。
そしてダーウィンはビーグル号での航海にフンボルトの「新大陸赤道地方紀行」を携えていったそうだ。
というわけでフンボルトの「自然の諸相 熱帯自然の絵画的記述」を積読に積んだ。
で、次は「史上最悪のインフルエンザ」を読む。積読山脈を崩す。予定は未定。
そして今週末のプレイリスト。