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デカルト、神の権威、16世紀、世界覇権、長い長い助走の始まり

https://twitter.com/taizooo/status/1370196402454765569

デカルト、めちゃめちゃ「神」の存在(キリスト教、三位一体の「神」ではなくて、自然神、絶対神としての「神」)に立脚してるなー

小林道夫「デカルト入門 」

デカルトは、このようにして確信された神にあらゆるものが依存しており、(数学的真理のような)明断判明な知識の確実性や真理性そのものも、じつは、神を作者(創造者)とすると明言していることである。ひとことでいえば、「明証性の規則」自体が神の創造にもとづけられるのである。ここに数学的真理をも創造したとする「永遠真理創造説」の神が確立されることになる。

ここに、「私の存在」と「私の本質(考えるもの)」の現実的認識を除き、あらゆるものがその創造者としての神に依存し、明噺判明な観念もコギトに起因するものではなく外から神によって刻印されたものであるという、コギトを原理とする観念論的見地から神の形而上学への存在論的転回がもたらされることになる。

「永遠真理創造説」も「神の形而上学への存在論的転回」も全然理解出来ないんだけど、わかっていることはあって、それは歴史的な背景だったりする。デカルトは16世紀末から17世紀に掛けての人で、17世紀科学革命と呼ばれる時代に先んじていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88

ルネ・デカルト(仏: René Descartes、1596年3月31日 - 1650年2月11日)は、フランス生まれ

で、16世紀のヨーロッパというのがどのような時代だったのかというと、

山本義隆「一六世紀文化革命1」

主題は活版印刷の草創期、一六世紀ヨーロッパの科学と技術と芸術。大学アカデミズムや人文主義者を中心としたルネサンス観に対し、商人や技術者の実践に焦点をあてる。文書偏重から経験の重視へ、ラテン語から俗語による出版へ、教会による支配を中心に厳然たる差別構造があった時代に、いったい何が起こり、どのような結果を次の世紀にもたらしたか

https://taizooo.tumblr.com/post/10682457205

そして、十六世紀文化革命以降、五世紀の時を越えて知は再び権威の元を離れ、路上のハイパーリンクである我々は文字通り世界とリンクされることとなりました。#252

錬金術や魔法や科学や哲学や宗教は渾然一体と化していて世界の最先端は城郭や伽藍の中ではなく市中の職人やイカサマ師の傍らにあった。そのころ、デカルトが哲学の構築を行ったのはオランダでその頃、オランダは世界覇権を掴みつつ合った。

小林道夫「デカルト入門 」

デカルトは、以上のような遍歴と修業を重ねたあと、いよいよ新たな学問体系の構築に専念すべく、完全な自由と独居を求めて、1628年の終わりに、再びオランダに赴いた。そこで、フリースラントの北方のフラネカーに居を定める。以後、1649年にスウェーデンにわたるまでの二十年余りのあいだ、数回のフランス旅行を除いて、居場所を変えながらも、ずっとオランダに住んだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E8%AB%96#%E3%83%98%E3%82%B2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%EF%BC%88%E8%A6%87%E6%A8%A9%EF%BC%89

ウォーラステインによれば、ヘゲモニーはオランダ・イギリス・アメリカの順で推移したとされる。ただし、ヘゲモニーは常にどの国家が握っているというものではなく、上記三国の場合、オランダは17世紀中葉、イギリスは19世紀中葉、そしてアメリカは第二次世界大戦後からヴェトナム戦争までの時期にヘゲモニーを握っていたとされる

デカルトの生きたこのころは、世界の仕組みを探るために、まだ神の権威が必要だった。

https://twitter.com/taizooo/status/1370197114769211393

その先の「神の存在を不要とする世界」への長い長い助走の始まりだったと考えると、オー、って感じ

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