ワールドワイドウェブのこと|ARTICLES|The Graphic Design Review
WWW(Wold Wide Web =ウェブ)は、インターネット上で世界中の誰でもが HTML(Hyper Text Markup Language)によって繋がることのできる、とても大きなコミュニティ(正確には情報コミュニティ)として構想されました。それはすぐにパーソナルコンピュータの思想と繋がり、ぼくたちはウェブにユートピアな未来を観ていました。
ウェブの基幹技術である HTMLの「HT=ハイパーテキスト」とは、リンクが張られたテキストのことで、言葉をマークアップする(タグをつける)ことでウェブ上にあるほかの言葉にリンクを張ることができます。つまり、論文における参照を体現した技術だったんです。古くは相互リファレンスとして百科事典から生まれた編集技術です。つまり「知」の集積をどう繋いでいくかということですね。
URLの最初に書く「http://」は「Hyper Text Transfer Protocol」の略で、ハイパーテキストを転送する(読み込む)手法を用いるという意味です。つまり、ウェブは相互に参照可能なように作られています。そこで私たちは互いに参照し合い、さまざまに協働して、新しい社会環境を作っていけるはずでした。
「はずでした」というのは、「そうはならなかった」ということですが、それは違う機会に話します。